スカウトが電話でつぶやいた
「ドラフト1位指名される12人」の名前

  • 谷上史朗●文 text by Tamigami Shiro
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 いずれにしても、清宮に大きな注目が集まるドラフトになることは間違いないが、その一方でほかの1位指名候補たちも気になるところだ。

 そのなかでも、社会人ナンバーワン左腕・田嶋大樹JR東日本)の評価は安定して高い。そのスカウトも田嶋の実力を認め、「彼を単独で指名できる球団があるかどうか」と言った。オリックスなどは「補強ポイントは左の即戦力」と公言しており、当然、田嶋は筆頭候補になるだろう。

 この田嶋を筆頭に、今年は社会人投手に逸材が揃う。スカウトが高く評価しているのが、鈴木博志(ヤマハ)、鈴木康平(日立製作所)、西村天裕(NTT東日本)の右の本格派3人だ。ただ、球の力は評価しつつも「鈴木博志は変化球のキレ、西村はメンタル、鈴木康平は勝負どころでの強さに課題がある」と言う。

 大学生では、東克樹(立命館大)、馬場皐輔(仙台大)、鍬原拓也(中央大)と、こちら投手の名が挙がる。そして社会人同様に、「東はクイックを含めた走者を置いての投球。馬場は経験不足。鍬原については、うまくいけばDeNAの山﨑康晃のようになれるかもしれないが、まとまっているだけというタイプになる怖さもある」とダメ出しも厳しい。

 当然、アマチュアの選手なので欠点はある。ただ、それが気にならないほどの魅力を感じる長所があるところまではいっていないようだ。

「ならば『清宮に賭けた方が......』という考えになることは十分あるでしょう」

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