山﨑武司が打撃理論でみる「夏の甲子園、ドラフト候補7人」の将来性

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行、岡沢克郎●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki、Okazawa Katsuro

 プロ通算403本塁打を放ったスラッガー・山﨑武司氏(元中日ほか)が、夏の甲子園を沸かせた強打者を徹底アナライズ。まずは第1弾としてドラフト候補に挙がる3年生7人について、優れた点や今後の改善ポイントについて解説してもらった。

夏の甲子園で史上最多となる6本塁打を放った広陵・中村奨成夏の甲子園で史上最多となる6本塁打を放った広陵・中村奨成

中村奨成(広陵高/右投右打/捕手)

そんなに力があるバッターには見えないんだけど、体重移動がめちゃくちゃうまい。プロでいえば坂本勇人(巨人)のような間(ま)の取り方で、山田哲人(ヤクルト)のように回転するバッティングですよね。軸足である右足にしっかり体重を乗せて、ストレートでも変化球でもどんな球にもタメを作って打てるところが一番素晴らしい。一本足で立っても上下のあおりが少ないフォームなので、コンタクトしやすいという要因もあるでしょう。プロでも早くから出番を得られる打者だと思うのですが、懸念点は捕手ということ。覚えることは多いし、リードで頭がいっぱいになる可能性がありますから。今後は体を大きくしつつ、よりしなやかに打てるようになれば、ホームランバッターになれる素質はあります。

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