目標達成ゼロに終わった清宮幸太郎。悔しさを晴らす舞台はプロなのか (2ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 この夏、清宮は本塁打を量産するだけでなく、広角に強い打球を放つなど、本人も「この1年の成長」と自信を深めていた。

 しかし国際大会となると、外国人投手の球威のあるボールに差し込まれる場面が目立ち、逆方向への打球はパタリと止まった。高校日本代表の4番打者として、9試合で32打数7安打(打率.219)、2本塁打、6打点の成績に終わった。

「まだまだ自分の実力がないし、もっと練習しなきゃならない。足りないものが多く感じられたし、自分の成長の余地があると思いました」

 この夏の甲子園で大活躍した中村奨成(広陵)が苦しんだ(25打数3安打)ように、清宮も木製バットへの対応に苦心した。普段の練習では木製バットを使用していても、いざ試合となれば勝手が違った。清宮は言う。

「バットの差はあまり気にしていなかったんですけど、結果を見たら......まぁ(違いが)あったのかな。日本の大学生は(世界大会で)圧倒的に強いじゃないですか。それは4年間での木製バットの経験があるからなのかなと思います」

 大学進学か、それともプロか――。気になる進路に関しては、「今はまだ決めていない」と話し、これから両親らと相談して決断するという。

「消去法で決めるのは嫌なので......。自分は何をやりたいのか。それをしっかり見つけて、一番いい選択ができれば......」

 日本一と世界一。高校野球最後の1年で目指した目標をいずれも逃した清宮だが、失意を晴らす舞台はどこになるのだろうか。

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