2017.09.09

外国人がクルクル三振。侍ジャパン・
田浦文丸の魔球に世界がたまげた

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 内ヶ崎誠之助●写真 photo by Uchigasaki Seinosuke

 大会を通じて、田浦と対戦する外国人選手たちは、田浦のチェンジアップに、バットがクルクルと回った。とりわけ右打者にとっては、外角に逃げるように落ちていくチェンジアップにまったくタイミングが合わない。

「右打者の方が投げやすいですね。日本人は食らいついてくるので、ちょっと打ち取りづらい。外国人選手は大きく空振ってくれるから、余裕を持って投げられています。自信あるんで、チェンジアップに。その違いがここまで三振を奪えている理由だと思います」

 田浦のウイニングショットは、左手の人差し指と親指で「OK」のサインを作って投じられる「サークルチェンジ」、あるいは「オーケーボール」と呼ばれるチェンジアップだ。田浦はこの宝刀を、左打者にも投じる。

 腕を強く振るため、打者にしてみれば腕よりもボールが遅れて出てくるような錯覚に陥るし、このボールを警戒するあまり、熊本大会の決勝で148キロをマークした田浦のスピードボールも、打者にとっては球速以上の体感となるだろう。スライダーとチェンジアップという曲がりが逆の変化球があるため、狙い球を絞らせない。さらに、最近覚えたというカットボールも自身初の国際大会で使っている。

「スライダーはリリースの瞬間に、指先でボールを切る感じで投げていて、チェンジアップは、とにかく強く腕を振ればそれだけ落ちる。リリースの感覚としては、左腕がボールを追い抜いていく感じというか......。やっぱり、これだけ三振がとれると、気持ち的に乗っていけますね」

 面白いように相手打者のバットが回る田浦の奪三振ショーは、まるで昔流行った野球盤の"消える魔球"を見ているようだ。