甲子園でうまくなる
明豊の2年生スラッガーに、
ソフバン柳田も熱視線

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 不動のレギュラーでありながら、背番号17を背負っているにも理由がある。川崎監督はその意図を説明してくれた。

「『オレが決めてやる』という気持ちは大事なんですけど、浜田はその気持ちが強すぎるあまり、強引に引っ張ってサードゴロやショートゴロになる。センター中心にという気持ちを忘れないためにも、17番を背負わせて気楽にプレーさせた方が、今は結果につながると思っています」

 飛距離はすでにチームの4番を打つ杉園大樹をも凌ぐと言われているが、浜田の何よりもの魅力は広角に長打が打てることだ。初戦の坂井(福井)戦で右中間を破る強烈な二塁打を放ったが、この方向の打球がそのままスタンドインすることも珍しくない。

 特に、甲子園に来てから技術力が高まってきたと川崎監督は言う。浜田自身も手応えを感じている。

「以前はヘッドが早く返りすぎて、バットも遠回りしていたから、ヒットゾーンはレフト方向ばかりでした。監督から『(ボールが)来た瞬間にバットを出せ』を言われ、そこからバッティングが変わりました。その感覚をつかんだのは、甲子園初戦の2日ほど前です」

 インサイドアウトのスイングを意識するため、川崎監督からの指示で練習では試合用の83センチよりも4センチ長いバットを使用している。その成果もあり、内角の球に対してコンパクトに振り出す感覚が磨かれた。この夏、甲子園で放った2本の本塁打も、打った球はいずれもインコースのストレートだった。

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