プロも騒然。広陵・中村奨成への7つの質問から探る「捕手の資質」 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 そこで、甲子園での中村の発言から、「捕手・中村」の資質について考えてみたい。甲子園での試合前後、できる限り中村に捕手としての質問を浴びせてみた。

―― どうして捕手になったのですか?

「キャッチャーは自分から志望しました。小学生の頃はあまり野球を知らなかったときで、人と違うポジションをやりたかったんです。1人だけ反対方向を向いていて、面白そうだなと思って」

―― 捕手としての面白さ、醍醐味は何ですか?

「自分の思ったようなリードができたときとか、自分の肩で盗塁を刺したときですね」

―― 捕手は大きく分けて「相手打線のイヤなところを突くタイプ」と「投手のよさを生かすタイプ」がいると思いますが、中村選手はどちらのタイプだと思いますか?

「基本的には相手のイヤがるところを突いていくリードなんですけど、場合によってはピッチャーのいいところを生かすリードに変えます」

―― 中京大中京戦では主砲の鵜飼航丞選手(右打者)に対して、膝元のスライダーを決め球に2三振を奪いました。その意図は?

「膝元のスライダーが苦手だと思っていました。(エース左腕の平元銀次郎は)コントロールのいいピッチャーなので、あそこ(インコース低め)へしっかり投げ切れるだろうと」

―― 中京大中京戦では中村選手のミットに相手打者のバットが当たる打撃妨害がありましたが、よくあるのですか?

「ミットに当たることはあまりないんですけど、『やばい』と思わないようにしました。周りの選手も笑いですましてくれたので......(笑)」

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