山﨑武司も絶賛の165cm、盛岡大付・植田拓はプロでもフルスイング (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 大柄な選手のなかには自分の体をコントロールできず、巨体を持て余しているケースも多くみられる。その点、小柄な選手には「自分の体を使いこなしやすい」というメリットがあるのかもしれない。その点を植田に聞くと、こんな答えが返ってきた。

「正直、もう少し(身長が)欲しい思いはありますけど、この身長でどれだけできるかが自分のポイントなんで。身長が高い選手にはできへんことを自分がやりたいです」

 難敵・作新学院との甲子園初戦。植田は2安打を放ったものの、試合後に「気持ちが前に行ってしまって打ち損じた」と明かしたように内容は決してよくなかった。

 それでも、この日は「足」で見せ場をつくった。5回裏の攻撃で1点を勝ち越し、なおも二死一、二塁の場面。一塁走者だった植田は、4番・比嘉賢伸のセンターへの二塁打で三塁コーチャーの制止を振り切り本塁に突入した。

「1点でも多く欲しい、1点より2点入る方がいいので、『アウトでもいいから突っ込もう!』と思いました。コーチャーも最初は止めてたんですけど、僕が行くのがわかったら『突っ込め!』って叫んでいましたね(笑)」

 このプレーをアグレッシブととるか、スタンドプレーととるかで評価は分かれるだろうが、結果はセーフ。植田の得点を含めて盛岡大付はこの回に3点を勝ち越し、そのリードを大型右腕・平松竜也が守り切った。

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