「背番号1」を競って進化するW左腕。秀岳館は「4強」の壁を破れるか (4ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 川端はエースの座を争ってきた田浦の実力を、次のように認めた。

「全試合で自分が先発し、試合中盤から後半に田浦にバトンタッチする形で勝ち上がってきましたが、田浦は無失点。ここぞという場面で力を発揮する、勝負強いピッチャーだと思います。自己評価ですか? 自分はストレートで押すピッチャーですけど、まだ立ち上がりが悪いのと、コントロールの精度が修正できていない。そこは甲子園までの課題です」

 片や田浦は、川端をこう評価する。

「ストレートが一番いいボールで、上から投げ下ろして、簡単には打てないかなと思います。自分はどちらかというと変化球が武器の投手だと思います」

 縦横のスライダーに、シンカー気味に落ちるチェンジアップを武器とする田浦は、決勝の最終回に自己最速を更新する148キロをマークした。球速でも川端に引けを取らない。

「甲子園ではうまくストレートと、変化球を使い分けて、緩急をつけたピッチングを心がけたい」

 秀岳館は熊本大会全5試合をWエースの継投で勝ち上がった。川端は28回2/3を投げて7失点。一方の田浦は14回1/3を投げて無失点。

 鍛治舎監督は常々、「調子のいい方にエース番号を与えます」と話してきたが、Wエースに「1」を競わせることで、切磋琢磨を促してきた。

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