ドラフト最後のチャンスへ。
阪神・糸原の同級生が打率5割超の大爆発

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 昨年の都市対抗優勝チームであるトヨタ自動車を6対3で破った試合後、福田は熱戦の直後とは思えない、落ち着いた口調で試合を振り返っていた。

「トヨタには去年(都市対抗と日本選手権で)2度負けていて、とくに打撃陣はトヨタのバッテリーをほとんど攻略できませんでした。今日は6点取れましたし、いい結果で終われてよかったです」

 自身の好調について聞いてみると、こんな言葉が返ってきた。

「都市対抗まで来るといいピッチャーしかいないので、凡退してもクヨクヨせずに、粘って粘って球際に集中していることが、いい結果につながっているのかなと思います」

 福田の打席を見ていて、気になることがあった。昨夏はオーソドックスな構えをしていた福田が、今夏はバットを左肩に担ぐようにして構えていたのだ。その意図についても聞いてみた。

「腕に力を入れたくないので、(バットを)肩に乗せてボールを待って、振りにいくときにためた力を出す形にしました。でも、僕はバッティングフォームをちょいちょい変えていて、いろいろと引き出しがあるなかで、今の形にしているだけです」

 明治大時代の福田は、4年間でリーグ通算打率.288、76安打を記録したアベレージヒッターだった。その反面、長打はわずか4本(二塁打2、三塁打1、本塁打1)と極端に少なく、打撃面で怖さを感じることはなかった。だが、NTT東日本に入社後はスイングに力強さが増している。昨夏の都市対抗では東京ドームで本塁打を放った。

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