2017.07.21

同級生はアイドル、副主将は女子。
異色の高校野球部・大阪学芸とは?

  • 谷上史朗●文・写真 text&photo by Tanigami Shiro

 小笹監督の出身校は、松井秀喜など数多くのプロ野球選手を輩出した星稜(石川)。その後、立教大を経て、BCリーグの石川ミリオンスターズでプレーした元プロでもある。あらためて経歴を振り返ると、小笹監督の"大阪色"のなさが今のチームの強みにも思えてくる。

「そうですね。子どもの頃からのイメージだと、大阪といえばやっぱりPL学園。それ以外は強いだろうけど......というぐらいの知識しかなかった。大阪の高校野球事情もわからないまま指導にかかわるようになって、指導者として大阪桐蔭や履正社に負けた経験もほとんどありません。だから、生徒にも対戦相手に関係なく、『お前ら、対等にやれるだろ? 普通にやれば勝てるでしょ』って言いますから。生徒からは『またまたぁ、先生言いますねぇ~』って返してきます。最近はそんな感じです」

 ちなみに、小笹監督が指導者になってからの"大阪2強"との対戦は、4年前の秋に2回戦で大阪桐蔭と戦った1回だけ。このときも7対10と善戦している。

 グラウンドは南河内郡河南町の丘の上にある。緑に囲まれた環境は「静かで気持ちいいし、野球に集中できる」と選手たちに好評だが、イノシシが出現することもあるという。グラウンドの最寄り駅は近鉄線の富田林駅。「PL学園に近いですね」と小笹監督に話を向けると、「あそこです、あそこ」と一塁側のネット下に広がる町並みを指さした。その指の先に見えたのが、パーフェクト・リバティー(PL教団)の象徴である白亜の塔。

「あの塔が雲に隠れて見えなくなったら雨が降るぞって。いつも天気が怪しいときは、選手とながら言っているんです」