2017.07.21

同級生はアイドル、副主将は女子。
異色の高校野球部・大阪学芸とは?

  • 谷上史朗●文・写真 text&photo by Tanigami Shiro

 そんなチームにはっきりとした変化が現れたのは2011年の夏から。その年、4回戦まで駒を進めると、その後も4回戦、5回戦、5回戦、4回戦、5回戦とコンスタントに勝ち星を重ねるようになった。

 小笹監督が大阪学芸に来たのは、コーチとして指導に加わった5年前。その前から、学校の重点クラブとして野球部を強化するという波は起きていた。天理出身の前監督が熱心な指導で下地をつくり、環境面も充実。グラウンドには甲子園球場と同じ黒土が入り(現在は年2回、甲子園のグラウンドを管理する阪神園芸が整備)、照明灯も完備。学校からグラウンドまで約1時間かかるが、送迎用のバスも3台揃っている。

 8年前に、その道のプロ、特技を生かす職を目指す生徒のために「特技コース」が新設された。今では各学年2クラス、約80人がこのコースで学んでいる。野球部員も3年生で見れば、30人中10人がこのコースに在籍している。

 同コースには学内のクラブだけでなく、地域のクラブチームやプロとして活動している生徒も多く、プロ契約を結んでいるサッカー選手をはじめ、ウインドサーフィン、ダンス、ゴルフなどで世界を目指す者もいる。さらには、マジシャン、歌舞伎役者、ヨーヨーのパフォーマーなど各方面の"金の卵"が揃い、今年の春に卒業した生徒のなかにはNMB48のメンバーもいた。

 強豪校によくあるスポーツクラスなどは、全員が強化指定クラブの生徒で占められ、どこか男臭いイメージがあるが、そうした雰囲気とはまるで違う。特技クラスの萩原健太郎(捕手)が言う。