大阪の古豪に現れたエースと主砲。興国高、42年ぶりの甲子園なるか (4ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Nikkan sports

 ピッチングもバッティングも力感こそ感じないが、"超高校級"の逸材であることは間違いない。その意外性が大きければ大きいほど、才能の器も大きいということだ。

 ただ、この試合を見ていて、ひとつだけ残念なことがあった。それは気持ちが「顔」や「態度」に出てしまうことだ。

 たとえば、ある打席で足元を速球で攻められ、「そこは打てません」という雰囲気を目一杯出してしまった。結局、同じコースに決められ見逃し三振。投げる方でも、打ち取ったと思った打球がヒットになったり、エラーになったりすると、ついつい"落胆"の気持ちが前面に出てしまう。気持ちはわからないでもないが、それが弱みになることだってある。

 戦いはいつも"カラ元気"と"やせ我慢"。大阪大会の快投を見る限り、そこの部分に関しては大きな進歩を遂げたのだろう。

 興国は1968年の夏の甲子園で全国制覇を果たしたが、近年は低迷が続いている。最後に甲子園に出場したのは1975年の夏。古豪復活を託されたエースと主砲が、42年ぶりの甲子園に導くのか。興国の戦いに注目したい。

■高校野球記事の一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る