2017.06.28

岐阜経済大のサブマリン・與座海人は
プロで牧田和久の後継者となるか

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 それほど低く潜れないのは下半身の硬さが原因だろうが、硬い選手には”強さ”がある。全力で腕を叩けるリリースポイントでの瞬発力が素晴らしい。その”叩き”があるからストレートに勢いがあり、それがアンダーハンド特有の”ホップ”する球筋となって、打者の目を幻惑する。

 このように、ホップして見える以外にもアンダーハンドには”得”がいくつもある。変化球の変化量が打者にはすごく大きく感じることもそのひとつだ。

 随分と昔の話になるが、私が捕手として現役でプレーしている頃、何人かのアンダーハンドの投手のボールを受けた経験がある。

 ひとりは高校時代にバッテリーを組んでいたエースだ。彼は地面スレスレまで上体を潜らせて、地面を這うようにして投げ込む、正真正銘のアンダーハンド。当時、決してスピードがあったわけでもないが、都内でも有数の快腕と評されていた。

 もうひとりは大学の2学年上の投手で、エース格として投げていた。私はブルペンで専属捕手のように彼のボールを受けていた、正直「こんなボールで……」と思うことが何度もあった。ストレートに力があったわけでもなく、変化球の曲がりもそれほど大きいわけではない。しかし、そのボールに東京六大学リーグの強打者たちが苦しんだ。

 ふたりのアンダーハンドが、スラッガーたちを敵に回し、130キロ前後のストレートと決め球にもならない変化球だけで牛耳っていたのは、彼らが”タイミング外し”の名人だったからだ。しかも彼らは、わからないようにこっそりとやっていた。