「選手強化しても勝てなかった」立教大を18年ぶり優勝に導いたもの (5ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 その翌週の早慶戦まで優勝の行方は持ち越されたが、立教の選手たちは明治戦後に「やれることは全部やったな」と口々に言っていた。

 現在、野球部には180名を超える部員が在籍するが、彼らはアスリート選抜のほか、自由選抜、指定校推薦、一般受験など多様な入試制度をクリアして入部してくる。高校時代の実績も、その実力もさまざまだ。

「アスリート選抜で入るような選手は完成度が高くて、監督としてはすぐに使いたくなる。能力があるからすぐにいい数字を残すけれど、もうひとつ伸びなかった。4年生になって成績を落とす選手もいた。素質や能力をさらに磨いて、花開かせるところまではなかなかいかなかったね。もし、能力のある選手が4年になって変わった姿を見せれば、まわりの選手にもいい影響を与えるだろう。

 今回、特に変化が見えたのが4番の笠松だった。開幕直後はぶんぶんバットを振り回していたけど、途中からランナーを返す意識が強くなった。打ちたい気持ちを抑えて、フォアボールをきっちり選ぶようにもなったしね。いまのバッティングを秋も続けることができれば、真の4番になるかもしれない」(横山会長)

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