2017.03.21

明徳義塾・馬淵監督が詳しく語る
「松井の5連続敬遠と清宮への対策」

  • 谷上史朗●文 text by Tamigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 その後も清宮についての話は延々と続いた。

「素晴らしいものを持っている。一昨年の夏、ウチの前に練習していたのを見たけど、飛距離がすごい。捉える力がね。球場が狭いとか、練習試合が多いとかあるにしても、それでも80本近く打っているわけやから。松井は弾丸、清宮くんはきれいな放物線を描き、タイプ的にもちょっと違う」

 家に戻り、25年前のあの試合の映像をあらためて見たが、松井が立った5打席のうち4打席が、もし一発が出ていれば、勝ち越し、もしくは逆転になる場面ばかりであった。馬淵監督が言うように、勝負に迷う状況が見事なまでに続いていた。ただ、第4打席については、一発打たれれば同点とはいえ、二死走者なしの場面だった。

 その意図はどこにあったのか。抽選会から3日後、岡山で練習試合を行なっていた馬淵監督のもとを訪ねた。

「確率よ、確率。ウチは相手エースの山口(哲治)くんから3点しか取れんと思うとったから。試合が始まり、ああいう状況になったからそう(敬遠)したわけやけど、徹底できたから勝てたんよ。ただ今年はね、投手もここに来て調子が上がっているし、あんなことにはならん」

 敬遠はないにしても、外野守備を極端に下げるとか、引っ張る打球が多い清宮にシフトを敷くといった可能性はあるのだろうか。

「状況で少し外野を下げるとかはあるにしても、極端なことはせんよ」

 何度も「あのときとは違う」と語る馬淵監督だが、清宮封じのイメージは出来上がってきたのか。

「ピッチャーがきっちり抑えられたら抑えられる。それは思うとるよ。この前も言うたけど、日大三戦の5連続三振も、相手ピッチャーがいいところに投げている。狙ったところにきっちり投げ切れたら抑えられる。それで打たれたら仕方ない」