「清宮フィーバー」に沸くセンバツ。でも本当の実力校はここだ! (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 根尾は"スーパー小学生"として入学前から話題の万能選手。中学時代にすでに146キロを記録した球速はチーム一。スキーで世界大会に出場したバランスや体幹の力を生かし、投手だけでなく遊撃、外野もこなす。一方、190センチの大型左腕・横川はまだ実戦経験が少ないが、センバツでのブレイクが期待される逸材だ。打線も根尾に加え、藤原恭大、山本ダンテ武蔵ら一発のある打者が並ぶ。

 二番手グループの筆頭は神戸国際大付(兵庫)。エース・黒田倭人(くろだ・やまと)は身長166センチながら、制球力がよく、三振を取れる好左腕。無駄な走者を許さないため、チーム全体にリズムが生まれる。控えの岡野佑大もスライダー、スプリットを武器に三振が取れて四死球を出さない。昨秋の公式戦はやや不振だっただけに、練習試合通りの投球を披露できれば強力な二枚看板となり、一気に優勝戦線に浮上する。昨秋の近畿大会で2本塁打を放った猪田和希が引っ張る打線は昨秋の公式戦12試合でわずか19三振と空振りをしない打者が並ぶ。

 目立たないが健大高崎(群馬)も優勝戦線に割り込む力はある。強みは複数が揃う投手陣。昨秋は横手投げのエース・伊藤敦紀が中心だったが、オフに控え投手が成長。制球がよく無駄な走者を出さない左腕の竹本甲輝、スライダーのよい向井義紀に加え、昨秋は背番号2をつけていた小野大夏(おの・たいか)が最速145キロとスピードアップ。得意の継投策で連戦にも不安はない。攻撃面は得意の"機動破壊"が健在。湯浅大、小野寺大輝の1、2番コンビを筆頭に足で重圧をかける。「攻撃力は歴代ナンバーワン」と青柳博文監督も自信を持っており、12年の4強超えを狙う。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る