西のライバル、履正社・安田尚憲が語る「センバツと清宮幸太郎」 (5ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 そして秋。近畿大会を制した履正社は神宮大会に出場し、決勝で清宮のいる早稲田実業と対戦した。清宮が「完璧な当たり」と振り返った先制弾を放つと、安田も負けじと3回に「打った瞬間わかった」と文句なしの一発。清宮の"真のライバル"であることを証明してみせた。ただ、戦いを終えて安田のなかに残ったものは、清宮の技術の高さだった。それから2カ月あまり、センバツへの抱負を語る安田の口から出るのは、技術への意識だ。

「逆方向への打球を増やして、確実性を上げたいとやってきました」

―― 具体的には?

「逆方向は、外のボールをヘッドが立ったまま捉えられるように。確実性は、構えて打ちにいくときに投手側に軸が傾くところがあって、それをなくそうとやっています。軸が傾くと体が前にいって、ボールとの距離が取れなくなってしまう。そこを意識してやっています」

 またこの冬は筋力アップにも努め、トレーニングと高タンパク低カロリーの食事を実践。1年前は80キロ台だった体は95キロまでアップ。センバツに向けて「あと1、2キロ増やしていければ」と話す。

 昨年もひと冬越えて技術的に大きく成長し、年間31本塁打の爆発へとつなげた。2度目の冬を越えた今、どんな姿を見せてくれるのだろうか。

「チームとしての目標は全国制覇。そこに向けてやるだけです」

「試合の流れを変える1本を打ちたい」

「憧れ続けてきた場所でホームランを打ちたいです」

 そうセンバツへの抱負を語った安田。甲子園と縁の深い男は、この地でどんな活躍を見せてくれるのだろうか。

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