ドラフト下位指名で、スカウトたちが秘かに狙う「7人の隠し玉」 (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Jiji Photo Press

 高校生でイチオシなのが、赤羽陸(市立和歌山/右投左打)。2度も甲子園のマウンドに上がっているのに、どうしてこの投手が大きな話題にならないのかと思う。たしかに、センバツでは9回に6失点、夏も初戦で星稜高を破ったものの、続く日南学園戦ではリリーフ登板で押し出し四球を与えるなど、甲子園でいい印象を与えることができなかった。

 だが私には、赤羽は津田恒実(元広島)や郭泰源(元西武)クラスの快速投手になれる素質を秘めていると見ている。

 スリークォーターから独特の角度で投げ込み、ゴムのようにしなる右腕の柔軟性。甲子園でもホップするような速球で打者を圧倒する場面が何度もあった。打者がのけぞりながら空振りするシーンも何度かあった。その快速球の勢いと粘っこい球質こそが、この投手を推す最大の理由なのだ。

 一方、野手はどうか。投手に比べて逸材が少ないと言われており、2位までに指名されそうな野手は、ズバリ4人と見る。

 京田陽太(日本大/遊撃手)、吉川尚輝(中京学院大/遊撃手)、大山悠輔(白鴎大/遊撃手)の大学生3人に、高校生の鈴木翔平(静岡高/外野手)を加えた4人だ。いずれにしても、はっきりした"投高打低"が今年のドラフトといえる。

 そんななか、秘かに注目している高い素質をもった4人の野手を紹介したい。

 まずは先述した大山と同じ関甲新リーグの狩野行寿(平成国際大/遊撃手/右投右打)ダイヤモンドを駆け回る躍動感と馬力。盗塁の際の思い切りのいいスタート。バッティングでも思い切りのよさは特筆もので、「引っ張ってホームラン」をイメージしたら、外角高めの球でもレフトスタンドに130メートル級の一発を放つ。

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