1位指名は4人。プロのスカウトが認めた「甲子園18人の逸材」 (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 その寺島に2回戦で敗れたものの、藤平も負けず劣らずの高評価を受けた。

「身体能力は去年の高橋純平(県岐阜商→ソフトバンク)以上。パワフルでスケール感もある。ここ10年で一番。3球団ぐらいの入札もあるんじゃないかな」(パ・リーグスカウトB氏)

 その一方で、こんな声もある。

「ひじから先だけで投げている感じ。体を振るフォームなので、球が高めにしか来ないのが不安なんだよなぁ」(パ・リーグスカウトC氏)

 絶賛の声が並ぶ寺島とは対照的に、藤平には疑問符をつけるスカウトもいる。球団によって評価に大きく差が出そうだ。

 高橋は埼玉大会で37イニング52奪三振無失点と圧倒した投球とは対照的に、出場校中で最低打率の大曲工に本塁打を含む10安打を浴びるなど、本調子とはいえない投球に終わった。

「体もあるし、県大会のボールだけを見たら、『もしかして寺島以上になるかも』と思ったけどね......。県大会が終わって、一度集中力が切れてしまったんだろうね。あのすごさは偶然というか、計画的に出たものではないのかな」(セ・リーグスカウトD氏)

 とはいえ、県大会を視察しているスカウトの高評価は変わらない。

「県大会のときはミットにドスンと入ってくる球だった。縦のスライダーもいいものを持っている。体が強いし、今大会を代表するパワーピッチャーなのは間違いない。プロでは短いイニングの方がいいかもしれないね」(パ・リーグスカウトC氏)

 昨夏の甲子園ではリリーフで好結果を残していることもあり、クローザーやセットアッパーとして評価する球団もありそうだ。

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る