長島三奈「取材した球児が指導者で甲子園に。そんな再会がうれしい」 (5ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva 露木聡子●撮影 photo by Tsuyuki Satoko

――そして、今年もまた荷川取監督に会ったわけですね。

「そうなんです。今年は大会前に取材できて、エースになってたくましくなったアドゥワくんが『1年の時から体重が16kg増えました』『日本語ペラペラだね』『日本生まれ、日本育ちですから(笑)。それより英語がこの前、赤点で』なんて会話をしたんです。インタビューさせてもらったこともあり、例年以上に注目していたら、2回戦で第1シードの川之江高校に勝って。決勝はスマホで映像を見ながら、応援していました。そうしたら、見事初優勝!

 99年以来、荷川取くんが甲子園に戻ってくるんだと思ったら、本当にうれしくて。イチからチームを作ってきて、その苦労もよく聞いていたので」

――長く取材されていると、球児が指導者として甲子園に帰ってくる。そんな再会もあるんですね。

「もし、高校野球に携わっていなかったら、体力の衰えだったり、顔中に増えていくシワやシミに憂鬱になったり(笑)。年を取ることに後ろ向きだったと思うんです、おばちゃんになっていくだけで嫌だなとなっていたと思うんですけど、でも、こういう再会があったり、年を取れば取るほど、彼らの成長が見られる。そう思うと幸せです」

(つづく)

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