長島三奈「取材した球児が指導者で
甲子園に。そんな再会がうれしい」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva 露木聡子●撮影 photo by Tsuyuki Satoko

――18年取材を続けてきて、何か以前とは違うな、変わったなということはありますか。

「うーん、何かあるかな......。球児の熱さ、ひたむきさは以前も今も変わらないですよね。見た目はだんだんみんな眉毛のお手入れがうまくなって......。『それ、抜きすぎですから、細すぎですから』って突っ込んでますけど(笑)。

 そう、最近は柔軟剤も凝っていますね。どこの寮にも2~3種類常備されていて。球児が汗だくでも、風が吹くといいニオイがするんですよ。『私、汗臭いの嫌いじゃないんだけどなあ』と言っているんですが。

 あとは制汗剤ですね。練習後に取材お願いしますと言うと、もう裏でシューシューすごくて(笑)。みんな、気を使っちゃって。最近の球児は香りに敏感!」

――地方大会で他にも出会いやエピソードはありましたか?

「愛媛で初出場を果たした松山聖陵高校()の監督が荷川取(秀明)くんで、彼は99年センバツを制した沖縄尚学のサードで、夏も甲子園に出場しているんです。だから、沖縄には地方大会から取材に行っていて、思い入れもあり、大好きだったんです。夏の大会で負けたときは伊丹空港まで見送りに行って、涙を流したくらい(笑)。
※大会6日目、北海高校(南北海道)に1-2でサヨナラ負け

 彼はその後、筑波大学に進学し、卒業して数年後、愛媛で指導者になったのですが、その話を聞いたとき、ちょうど愛媛に取材に行ったんです。開会式が行なわれる坊ちゃん球場で『荷川取くん、監督になったんだね』と再会しまして。以来、七夕のように1年に一度、そこで会うのが恒例になっていたんです。

 2年前も開会式で会い、その時行進していた球児の中にハーフの子がいて、『あの子、誰?』『アドゥワ(誠)っていうんです』『えっ、私はお兄さんを九国(九州国際大付高)で取材しているよ』『まだ細いんですけど、今後楽しみにしていてください』なんて、盛り上がったんです」

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