160センチの大エース、日南学園・森山弦暉は「怪物」に迫れるか? (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 森山の女房役である正捕手・萩原哲には、ある密かな楽しみがあるという。

「野球ゲームで架空の選手を育成できるモードがあるんですけど、それで日南学園のチームメイト全員を作ったんです。能力はできるだけ忠実に再現して。森山のコントロールは『S』(最高値)に設定しています。現実の森山もゲームのコントローラーのように構えたところへボールが来るので、リードをしていて楽しいですね。実際にゲームを使って試合のシミュレーションをしたり、配球の勉強をすることもあります(笑)」

 ちなみに、萩原の「肩力」の設定も「S」だという。「ここは譲れません」と萩原は笑うが、実際に八王子戦、市和歌山戦でも盗塁を試みたランナーを1人ずつ刺し、盗塁を許さなかった。こんなS級強肩捕手の存在も、森山の投球を支えている。

 日南学園の夏の甲子園最高成績は、寺原隼人(ソフトバンク)を擁した2001年夏のベスト8。「怪物」と言われた大先輩よりも20センチ身長が低く、30キロ近く球速の遅い森山が、はたして肩を並べることができるのか。北海(南北海道)との間で争われる3回戦で、その答えは出る。

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