夏の甲子園は藤平、寺島、高橋昂の「ビッグ3」以外も好投手だらけ (4ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 鈴木昭はセンバツの不調から復活。下半身を鍛えて球威が増し、ストレートで空振りを奪えるようになった。茨城大会では19イニング無失点。安定した投球が戻ってきた。早川はセンバツ準々決勝の秀岳館戦で9回2死から自信を持って投げた右打者の内角直球をボールと判定されて敗れたことから、その球を磨いてきた。昨夏に甲子園マウンドを経験している堀はストレートが140キロ台後半をマークするまでに成長。スライダーも切れ、広島大会では44イニングで63三振を奪った。知名度は3人に及ばないが、山野も140キロ台の速球を武器に47イニングで51奪三振。今夏の甲子園でブレイクの可能性を秘める。

 右腕では、今夏自己最速の154キロをマークした創志学園(岡山)の高田萌生、最速149キロを誇る作新学院(栃木)の今井達也、センバツ優勝投手の智弁学園(奈良)の村上頌樹、滋賀大会で26イニング無失点の近江の京山将弥らの投球に注目が集まる。

 ビッグ・スリーを擁する3校は地区大会でほぼリードを許すことなく戦ってきており、相手に先行された展開に不安を残す。今夏は地方大会で敦賀気比が23年ぶり、花巻東が15年ぶりに初戦敗退、大阪桐蔭も6年ぶりに3回戦敗退するなど波乱が続いた。甲子園でも序盤から波乱が起きるのか。同時期に開催されるオリンピックに負けない熱い戦いを期待したい。

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