夏の甲子園は藤平、寺島、高橋昂の「ビッグ3」以外も好投手だらけ

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 高校野球が始まって101年目。新たな時代の幕開けにふさわしく、今夏の甲子園は役者が揃った。なかでも注目を集めているのが、横浜(神奈川)の藤平尚真、履正社(大阪)の寺島成輝、花咲徳栄(埼玉)の高橋昂也の3投手だ。いずれもドラフト1位が噂される"ビッグ3"を擁する3チームが、そのまま優勝候補にも挙がる。

最速152キロ右腕、横浜のエース・藤平尚真最速152キロ右腕、横浜のエース・藤平尚真 横浜は全国屈指のスター軍団。エース右腕・藤平は最速152キロの速球に加え、切れ味鋭いスライダー、フォークを操る。中学時代は侍ジャパンのU-15日本代表に選ばれた逸材。同世代からの知名度も抜群だ。控えには130キロ台後半の速球とスライダーを武器に試合を作れる左腕の石川達也がおり、連戦にも不安はない。

 投手陣以上に強力なのが打線。神奈川大会では主砲・村田雄大、主将・公家響、2年生の増田珠の3人が3本塁打を放つなど、7人が本塁打を記録。神奈川大会の記録を更新するチーム14本塁打をマークした。本塁打以外にも、バスターエンドラン、スクイズなど小技も絡めた攻撃も展開できる。甲子園初采配となる平田徹監督の手腕が見ものだ。

 今年の高校生投手でナンバーワンの呼び声高い寺島を擁する履正社もタレント揃い。大阪大会では準決勝までの7試合中6試合でコールド勝ち。コールド規定のない決勝も12対0という圧勝だった。左腕・寺島は最速149キロの速球を武器に29イニングで43奪三振。1試合平均被安打が4・03本、失点はわずか1という剛腕だ。

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