細山田武史の笑顔。元プロたちが晴れの「都市対抗」で味わう充実感 (5ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

「西濃運輸の時は都市対抗に引っ張ってきてもらった、という感覚でしたが、今は若いチームなので、自分が引っ張っていこうと思っています。若い選手が萎縮することなく、好きにプレーしてもらえるように」

 藤澤自身もまだ26歳だが、社会人で6年、プロで2年キャリアを積んでおり、感覚はすでにベテランだ。そんな藤澤にとって、「若い選手」のなかでとりわけ気にかけている選手がいるという。

「4番の田村(強)なんて、いずれプロを目指してやってほしい、すごい才能を持っているバッターですよ」

 藤澤は自身の都市対抗復帰戦で5打数4安打と大活躍を見せた。その活躍につられるように、4番・遊撃手の大卒ルーキー・田村も2打数1安打2打点と高い能力を発揮している。

 あらためて、藤澤に社会人野球の魅力について聞いてみた。

「プロも社会人も野球に対して真剣という意味では同じです。技術やパワーは、やっぱりプロのほうが上。でも、一球にかける真剣さや、粘りが社会人野球の面白さだと思いますね」

  今大会の都市対抗では、他にも王子(春日井市)の中田亮二(元中日/JR東海からの補強選手)、新日鐵住金鹿島(鹿嶋市)の玉置隆(元阪神)、日立製作所 (日立市)の荻野忠寛(元ロッテ)、山本淳(元西武)といった元プロ野球選手が出場している。なかにはヤマハ(浜松市)の佐藤二朗(さとう・つぎお/元ヤ クルト)のように、社会人選手として13年目というキャリアを持つベテランまでいる。

 負けたら終わりのトーナメント戦は、7月26日まで東京ドームで開催されている。一球、一打の重みを教えてくれる社会人野球、その魅力を一度、味わってみてはいかがだろうか。

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