近鉄「いてまえ魂」を受け継ぐ男、三田学園高監督・羽田耕一の挑戦

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

 羽田監督が目指している監督像を聞くと、ともに故人で近鉄時代の恩師である西本幸雄監督と仰木彬監督の名前を挙げた。

「どちらも厳しい方やった。仰木さんは優しいイメージがあるかもしれんけど、プロに対しての厳しさがあった。西本さんからは何をするにも手を抜かず、常に全力でやることを教わった。ようどつかれたけど(笑)、西本さんを悪く言うやつは誰もおらんかった。そりゃあ、どつかれるのはみんなイヤやったと思いますよ。それでも、選手を何とか一人前にしようと、一生懸命練習に付き合ってくれた。だからどつかれても愛情を感じましたよ。もちろん、今の選手たちに手は出しませんけどね(笑)」

 いまだに「10.19」の悔恨を胸に抱え、「いてまえ魂」を高校球児に注入し続ける老将・羽田耕一。初戦は7月12日、猪名川戦。2度目の夏が間もなく始まろうとしている。

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