ドラフト会議の日に思い出したい、大学日本代表「雑草組」の男たち (5ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

 そんな吉川に対して、佐々木は134キロのカットボールで詰まったファウルを打たせ、最後は148キロのストレートで空振り三振を奪ってみせた。京田もレフトフライに抑えて、2イニングをパーフェクトに抑えている。

 佐々木は都立の日野高出身。都立校とはいえ、近年の日野高は私学顔負けの力強いチームをつくってくることで知られている。佐々木はその日野高で投打ともたくましく育てられ、3年夏は早稲田実、日大鶴ヶ丘と強豪を撃破し、ベスト8に進出した。

 桜美林大では1年時からリーグ戦に登板し、3年春からエースとして活躍している。スリークオーターの角度から最速150キロを超える快速球と、スライダーが武器。東海大を筆頭に日本体育大、筑波大など有名大学がひしめく首都大学リーグで、今春は4勝3敗をマークした。しかも67イニングを投げて自責点はわずか2、防御率0.27という素晴らしい安定感だった。

 大学日本代表監督を務めるのは、東海大の横井人輝監督だ。横井監督は選考合宿での佐々木の好投について記者に聞かれると、「リーグ戦で最も手こずる投手なので……」と笑った後、こう続けた。

「うちのリーグを代表するピッチャーなので、こういう場(日本代表選考合宿)は初めてですが、どんなピッチングをするか注目していました。ボールに力がある、連盟としてナンバーワンのピッチャーであることを、今日見せてくれたと思います」

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