ドラフトの隠し球か?中京学院大サプライズ優勝を演出した山崎善隆捕手 (4ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 捕手になってから4年間、きっと大きな苦労を重ねてきたことだろう。コーナーギリギリの球をピタッとミットを止めて捕球し主審の手を何度も上げさせ、誘い球のショートバウンドのスライダーは体を張って止め、投手への返球はいつもストライク。しかも、その返球に微妙な強弱をつけて投手を勇気づけたり、なぐさめたり……。 それほどの仕事をきちんきちんとこなしながら、いつも、なんにもしてないような顔でさり気なくそこにいる。

 本当にいい捕手とは、こういう“目立たない捕手”のことを言うのだろう。そんな目立たない捕手・山崎だったが、見事に今大会のMVPに選出された。目立たない男が手にした最高の栄誉は、じつに光り輝いていた。

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