地方大にもいる今秋ドラフト候補の逸材たち。大学野球選手権が開幕

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 中京学院大の初戦は開幕戦に組まれていたため、6月6日の神宮球場は早朝からスカウト陣が集結。しかも相手の日本文理大にも左腕からキレのあるストレートを投じる坂本光士郎(4年)がいるため、吉川にとって全国レベルの投手に通用するか大きな試金石となった。

 他でドラフト上位候補としてスカウトが熱視線を送るのは、投手中心になるだろう。

 富士大の小野泰己(4年)は昨年の西武のドラフト1位・多和田真三郎に続く本格派右腕。最速151キロに達した球威のあるストレートに、落差のあるスプリットで奪三振の山を築くタイプだ。

 今年に入って春先から調子が上がらず心配されたが、尻上がりに状態を上げてきた。今春の北東北大学リーグは富士大、青森大、八戸学院大の3チームが7勝3敗で並ぶという史上稀に見る大混戦となり、三つ巴のプレーオフが実施された。小野はプレーオフ2試合を連投して、計16イニングを被安打6、奪三振25、失点1という快投で優勝に導いた。

 富士大の初戦は大会初日の第2試合(神宮球場)、京都産業大戦。つまり、中京学院大・吉川の試合直後に行なわれる。小野が大学選手権でも好調を持続できれば、スカウト陣への大きなアピールになるだろう。

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