焼肉屋の店員から球界に復帰。2000年の阪神ドラ1、藤田太陽の今 (6ページ目)

  • 和田哲也●文・写真 text&photo by Wada Tetsuya

――試合をすること自体が困難な状態ですね。

「それを補うために選手の数を増やすのは大変なんですが、ありがたいことに企業側がとても協力的で徐々に人が増えてきています。サインプレーや細かい戦略はインターネットで密に連絡を取り合うなど選手たちの意識も高くなってきている。今までは、全国大会に出れないのは誰のせいとか、人数がいないからとか、ちょっと負け癖がついてたのが、少しずつ変わってきたように感じます」

――コーチとしてのこれからの目標は?

「やはりプロにいた経験を買われているわけですから、それをどんどんほかの選手たちに伝えていきたいです。僕がバッティングピッチャーになって、実戦みたいな感じで全員に打たせるというのもいい練習になると思います。辞めて2年経ってるからそこまでプロのレベルには戻すのは難しいですけど、スピン量であったりキレだったり、少しでもプロに近い球を経験してほしい。何年か先、僕の指導を受けた選手の中からプロ野球選手が生まれてくれたら嬉しいですね」

――5月13日からは富山で都市対抗野球の予選が始まりますね。

「なんとか予選を勝ち抜いて全国に行きたいですね。一段上の緊張感や、そこで勝つ喜びをみんなに味わってほしいです。最高の形でいけば今年、長く見ても3年以内には実現させたいので、その足がかりにできたらと。若い子が投げて頑張ってくれるのが一番いいんですけど、必要となったら僕も投げますよ」

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