駒苫vs早実、伝説の決勝から10年。野球を諦めた男たちの「88会」 (3ページ目)

  • 菊地高弘●取材・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro
  • 片平裕志●取材協力 cooperation by Katahira Yuji

 また、駒大苫小牧からも前出の中澤、さらに5番・右翼手の鷲谷修也という準優勝メンバーが参加していた。なぜ、彼らが一堂に会しているのか。そして「ノンプロ88会」とは何なのか、再び船橋に訊いた。

「最初は僕と後藤と中澤くんと鷲谷くんの4人で焼肉を食べに行ったことが始まりです。僕と後藤と中澤くんは高校時代に日本代表で一緒になっていて、鷲谷くんは彼のキャリアに僕が興味を持ったのがきっかけで声を掛けさせてもらいました。その席で『せっかくだから、みんなで何かやろうよ』という話になったんです」

 こうして結成されたのが「ノンプロ88会」だった。全員が1988年度生まれ、そしてプロ野球に行けなかった男たちの同期会だ。

 プロ野球選手が同期会を作ったり、アマチュア指導者が同期の交流会を開いたりすることは珍しいことではない。だが、「プロに行けなかったメンバー」で、地域・学校の枠を越えて同期会を結成するのは珍しい。

 2014年の年末に25人ほどのメンバーが西武ドームに集まり、草野球をプレーしたのがノンプロ88会の最初の活動だった。だが、船橋はこの集まりをただの野球サークルにするつもりはないという。

「『88年』『野球』というキーワードで集まって、ただ野球をやるだけじゃなくて、世の中でマンパワーを必要としているところに貢献したい。まだイメージは漠然としているんですけど、社会貢献活動ということができて初めて、立ち上げた意味ができてくると考えています」

 2015年の10月には、ノンプロ88会としてゴミ拾いのイベントに参加した。今後も野球教室など、「自分たちに何ができるか」メンバーは知恵を絞っていくという。

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