センバツで発見。プロに育つ可能性を秘めた3人の「遊撃手」 (5ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 1回戦の福井工大福井戦、ヒットにはならなかったが柔軟性と強靭さを併せ持ったリストワークを見た瞬間、「井口だ!」と思った。

 現在、ロッテで活躍している井口資仁だ。日本プロ野球で活躍し、メジャーでも立派にひと仕事やってのけたあと、再び日本で活躍し続ける名選手にピタッと重なった。

「バッティングは積極的にファーストストライクから攻められるかが自分のウリなんで……。初球やないんです。しっかり見極めて、自分のストライクゾーンで。ファーストストライクを長打にできたら、相手に最大のプレッシャーをかけられますから」

 バッティングの話になると目を輝かせた太田。弱冠16歳にして、これほどの人間的なパワーを持った選手を久しぶりに見た気がした。

 センバツで輝いた3人の遊撃手。三者三様の異なった輝きを放ちつつ、まだまだ可能性を秘めたそのプレーに期待は膨らむばかりだ。

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