センバツでプロ野球スカウトたちの評価を上げた11人の逸材 (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「角度がいいし、ボールに強さがあるよね。身長があるのは魅力だし、均整のとれた体をしている。140キロ出ていないボールでも打者を押し込めていたし、カーブを投げられる器用さもある。夏まで追いかける楽しみが増えたね」(パ・リーグスカウトA氏)

「スケール、素材を考えると将来的には高田、藤嶋以上になる可能性がある」(パ・リーグスカウトB氏)

 ただ、昨秋の明治神宮大会で露呈したバント処理の不安は解消されず。あるスカウトは「同じ大型でも高橋光成(西武)はフィールディングがよかった。あと、打撃がさっぱりなのも気になるんだよなぁ……」と、昨秋24打数0安打、センバツでも2試合で5打数無安打に終わった打撃面から、センスに疑問符をつける声も聞かれた。

 山崎とともにスケールの大きさを期待されたのが大阪桐蔭の150キロ左腕・高山優希。大会前は球速で注目されたが、スカウトたちは総合力を評価する。

「足が着いてから間があるのがいい。手足も長いし、フォームにクセもない。ただ、彼のようなタイプは体力がつかないと本格化しない。スピードより総合力で勝負するタイプだと思うけど、そうなるには時間が必要でしょう」(パ・リーグスカウトA氏)

「立ち姿や走る姿が大きく見える。角度があるし、強い球もある。吉川光夫(日本ハム)みたいになる可能性がある」(パ・リーグスカウトB氏)

 ただ、現時点での完成度は低いだけに、物足りなさを口にするスカウトもいた。

「150キロを出せる素材であることはわかったけど、評価はしづらいなぁ。初戦も全力投球というより、自分の課題を試しているような感じ。まだプログラムの途中なのかな」(セ・リーグスカウトD氏)

 2人とも上位指名の可能性を残すが、現段階ではまだまだといったところ。将来性をどこまで評価するか。

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