センバツでプロ野球スカウトたちの評価を上げた11人の逸材 (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 投打ともに注目された藤嶋は初戦の関東一高(東京)戦で8回3分の2を1安打11奪三振と圧巻の投球を見せた。今大会は冷静に投げ、1球1球吠えながら投げ込んでいた1年夏の甲子園からの成長をアピールした。

「成長を感じたね。イケイケだったのが、ゲームを見て管理している。投球に強弱をつけられるし、ボールの出し入れもできる。9回投げて勝つために逆算している印象を受けた。適応能力を感じたね。これなら、プロに入ってもやれるでしょう」(セ・リーグスカウトD氏)

「1回戦で一番いい投球をしたのは藤嶋です。球にラインが出ていた。あれは高校生では打てない。気持ちをコントロールできるようになったし、ナックルカーブを投げる器用さも見せた。投手か野手か? 投手でしょう」(パ・リーグスカウトA氏)

 また藤嶋は打者としても、「当たったときの飛距離は高校生離れしている」(セ・リーグスカウトC氏)と評価されるが、足がなく、守る場所がないため、プロは投手として見ているところが多い。それでも、「サードができれば、村田修一のようになる可能性もある」(パ・リーグスカウトB氏)という声もあった。明るい性格や練習に取り組む姿勢も評価されており、上位指名の可能性はある。

 敦賀気比(福井)の山崎颯一郎は最速144キロをマークし、初戦の青森山田戦では4安打9奪三振で完封勝利をおさめた。課題だった制球面も2四球のみと成長をアピールし、評価を上げた。

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