大阪桐蔭、異次元の強さを支える「全国屈指の控え部員」 (6ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 ベースボール・マガジン社が発行している『第88回選抜高校野球大会完全ガイド 2016年2/29号』には、センバツ出場選手の「将来の夢」が掲載されている。多くの選手が「プロ野球選手」と回答しているのに対して、森は「立派な大人になる」、大石は「幸せに暮らすこと」と回答している。

 森は「プロは全然考えていません」と言い、大石は「野球関係に携われたらいいですけど、この先の世界で野球がプレーできる人は少ないですから」と言った。彼らは日頃からプロに進むような選手やOBに囲まれ、「現実」を見せつけられている。だからこそ、「プロ野球選手」という壁がいかに高いかを知っているのだろう。

 森と大石に「『他校ならレギュラーなのに……』と思うことはないか?」と訊いてみた。だが、2人はともに「ありません。桐蔭で良かったです」と口を揃えた。

 その言葉に、大阪桐蔭のベンチ入りメンバーとしての矜持(きょうじ)を感じた。

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