桑田・清原も愛した伝説の「PLチャーハン」を知っているか? (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 牛島寿人●写真 photo by Ushijima Hisato

 懐かしいエピソードを聞いている間に料理は進み、炒められたごはんに卵を落とし、最後に塩コショウで味を整え、「これで完成です」。ここに"チャーハンの素"などを加えることもあるそうだが、この日はなし。なんともシンプルなメニューだが、清原和博もインタビューの中で語ることもあった"PLチャーハン"は、いつから伝わったメニューなのだろうか。

 大西氏は「いつからでしょうね」とわからなかったが、つてをたどるとそのルーツが明らかになった。発案者として名乗り出たのは清原、桑田真澄の1学年上のキャプテンだった清水孝悦(しみず・たかよし)氏。

「正確に言うと、油の代わりにマヨネーズを使い出したのが僕からということです。僕も下級生の時は先輩にチャーハンを作っていましたが、その時は普通に油を使っていました。でも、油だとごはんがフライパンに引っ付きやすく、それでマヨネーズに替えてみたら全然引っ付かない。もともと、僕がマヨネーズ好きというものあったんですけど、『これはええ!』となって、それからですね。付き人に教えて作らせたら、他にも広がっていったみたいです」

 さらに清水氏は、それまで塩と醤油だけだった味付けに、チャーハンの素やガーリックなどを入れて深みをプラス。具材についても、当時の寮の食事は業者ができあいの品を配達するシステムで、その中からチャーハンに使えそうなものがあれば取り置きしていたという。

「たとえば、煮物に鶏肉が入っていたら、それを一度洗ってチャーハンに混ぜたりね。味噌汁の具も汁を捨てて、ざるで洗って使っていました」(清水氏)

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