早実・清宮幸太郎の甲子園出場に立ちはだかる東京のライバルたち (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 柴田は今春の東京都大会4回戦で入学直後の清宮と対戦し、変化球を一、二塁間に運ばれる安打を許している。だが、この試合の前に肩の筋肉を痛めるアクシデントがあり、言わば手負いの状態だった。本来の持ち味であるストレートのキレを取り戻せば、ユニフォームがそっくりな「WASEDA対決」も好勝負になりそう。ただ、早大学院は秋のブロック予選で激戦区に入っており、13日には今夏の西東京ベスト8の新興勢力・聖パウロ学園と対戦。勝ち上がったとしても、続く19日には共に実力校の法政大高と東京高の勝者と対戦しなければならない。

 そのほかにも、粗削りながら140キロ級の重い球質にプロスカウトも注目する竹井丈人(関東一2年/181センチ89キロ/右投右打)。今夏のふがいない敗戦(1対8帝京)から変化球の制球を磨いて速球が生きるようになった大型右腕・矢崎裕希(小山台2年/185センチ78キロ/右投右打)という存在も。清宮と同じ1年生では、城田真理人(国士舘1年/170センチ63キロ/右投右打)の小柄ながら度胸満点のピッチングに胸を打たれる。

<打者編>
 清宮と同じように一発を期待できる強打者では、坂倉将吾(日大三2年/176センチ72キロ/右投左打)の名前が真っ先に挙がる。本質的には高打率を残せる中距離打者だが、強打の日大三で2年生から4番に座り、ツボに来ればセンターからライトへ放り込む力がある。今夏の西東京大会準決勝・早稲田実戦では、3打席凡退に倒れて迎えた9回二死無走者の場面で、意地のライト前安打を放った。チームはそのまま敗れたが、簡単に終わらないところにしぶとさとプライドがのぞいた。秋以降も活躍が期待できる打者だ。

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