早実・清宮幸太郎への「内角攻め」は本当に正解なのか? (2ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「勝ち進んで、打席数も多いので......記録のことは考えていません。(打った瞬間に)いったとは思いましたけど、先っぽでした。芯に当たらないで入るというのは、自分のひとつの目安というか......詰まっても入るというのが、自分の理想とする形。芯に当たれば、誰でも入るので」

"清宮劇場"は続く。7回裏には無死一塁からアウトコースのストレートを流し打った痛烈な打球が左中間へ。フェンスに跳ね返され、大歓声はため息に変わったものの、勝利を決定づける一打となった。

 いくら内角攻めを徹底されようとも、清宮はバットを短く持ったり、オープンスタンスを変えたりすることはない。

「インコースを攻められるのは分かっていた。でも、打てないわけじゃないんで(笑)。(左手の痛みで)むしろ力が抜けて、今日はリラックスして打てました」

 確かに16歳の数少ない弱点は、インコースなのだろう。実際、内角のボールでどん詰まりの内野ゴロを打つケースも目立つ。しかし、「打てないわけじゃない」と語るところに、スラッガーとしての矜持(きょうじ)が感じられるし、清宮の内角を意識しすぎるあまり自分の形を崩しているのはむしろ相手投手であり、相手監督ではないか。

 早実打線も1年生の清宮に乗せられるように爆発し、6番の富田直希が2本塁打(4打点)。投手陣もエース・松本皓がわずか108球で1失点完投した。

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