【高校野球】夏の甲子園で評価を上げた「16人のドラフト候補」 (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 そしてもうひとり、今大会で評価を上げたのが、関東一の外野手・オコエ瑠偉(るい)だ。初戦の高岡商戦では一塁強襲安打で一気に二塁を陥(おとしい)れ、さらに史上2人目となる1イニング2三塁打もマークした。迷わず積極的に次の塁を狙う姿勢と大きなストライドで加速するベースランニングは観客の度肝を抜いた。

「あの脚力と肩の強さは『高校生の時点でこんな奴はいたか?』というほど素晴らしい。とにかく走る姿だけで観客が『ワーッ』となるのがすごい。この時点での能力の高さは陽岱鋼(日本ハム)以来。間違いなく柳田悠岐(ソフトバンク)、糸井嘉男(オリックス)ら、オールスタークラスの選手になる」(パ・リーグ球団スカウト)

 足と肩は、過去の高校生と比べても断トツで文句なし。ただ、「打撃がよくない。トップが取れないし、内角と外角の変化球が打てない。プロで苦労するでしょう」と打撃面で評価を下げるスカウトもいるが、それでも「中南米の選手に混じっても目立つ存在」と語るスカウトもおり、上位指名は間違いない。

 このふたりに続くのが仙台育英の遊撃手・平沢大河。今春の東北大会で死球を受け、右足小指を骨折。宮城大会は打率.176と苦しんだが、甲子園では初戦の明豊戦でバックスクリーン右に飛び込む本塁打を放ってアピールした。

「彼もこの夏に評価を上げたひとりでしょう。もともとセンバツの時から守備力は高校生ナンバーワンの評価を得ていた。その時よりもバッティングに力強さとパワーが増した。体の軸を使って打てるようになったので、打球が素晴らしい」(パ・リーグ球団スカウト)

 ここまでが上位指名確定と言われている選手。そして3~4位での指名が予想されているのが以下の選手たちだ。

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