大学野球選手権開幕。地方リーグの逸材たちに注目! (3ページ目)

  • 佐伯要●文 text by Saeki Kaname
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 また投手で注目したいのが、富士大のエース・多和田真三郎(2年)だ。昨秋の明治神宮大会2回戦の国際武道大戦で21年ぶり4人目のノーヒット・ノーランを達成し、一躍脚光を浴びた右腕である。

 広くステップし、181センチの体を沈み込ませるようにして投げ込む。より打者の近くでリリースするため、最速146キロのストレートは打者にとって表示以上に速く感じる。今春も5勝1敗、防御率2.37とエースの役割を果たした。その右腕が再び全国の舞台でどんな輝きを放つか、楽しみだ。

 京都産業大の左腕エース・岩橋慶侍(いわはし・けいじ/4年)の名前も挙げたい。出どころの見づらいフォームから140キロ前後の直球と変化球を投げ分け、打者を打ち取るのが持ち味。今春のリーグ戦では8勝を挙げている。ドラフト候補としてスカウトがリストアップしているが、全国の舞台で好投すれば、一気に上位候補に躍り出る可能性がある。

 また、桐蔭横浜大のエース・小野和博(4年)も忘れてはいけない。昨秋の明治神宮大会で4試合すべてに先発し、準決勝の亜細亜大戦、決勝の法政大戦で2試合連続完封をやってのけた鉄腕。右腕から繰り出す直球は140キロ前後だが、チェンジアップ、スライダーなど変化球との抜群のコンビネーションで打者をかわす投球は鮮やかだ。

 そのほか、粗削りながら最速151キロのストレートが魅力の四国学院大・高野圭佑(4年)、147キロ右腕として知られる東農大北海道オホーツク・風張蓮(かざはり・れん/3年)らも全国のマウンドで躍動する姿を見せてくれそうだ。

 6日間で25試合が繰り広げられる大学選手権。今年は地方に多くの逸材が集まり、彼らが明治大や亜細亜大といった優勝候補を苦しめることができるのか。見逃せない戦いが続きそうだ。

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