2012.10.02

【高校野球】大阪桐蔭・藤浪晋太郎が語る
「憧れは藤川球児投手のストレート」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

ふじなみ・しんたろう/1994年、大阪府生まれ。小学校1年から野球を始め、中学では大阪泉北ボーイズに所属し、3年時に日本代表に選出されAA世界選手権に出場。大阪桐蔭に進学し、1年夏からベンチ入りを果たし、1年秋から主戦投手として活躍。197センチの長身から繰り出す150キロのストレートを武器に、3年時には史上7校目の甲子園春夏連覇を達成した 150キロを超すストレートにカットボール、スライダーをはじめとした多彩な変化球。さらに、197センチという桁外れの長身に故障知らずの強靭な体。だが、今の藤浪を作った最も大きな要素は、これらの目に見える部分ではなく、内面の強さだろう。

 入学時はアーム式で担ぎ投げだったが、プロで活躍する投手の連続写真を見て研究し、周囲からのアドバイスも自分なりに取捨選択しながら、地道に今の投球フォームを作り上げていった。

「例えば、ダルビッシュ(有)投手のフォームなら、いちばんは絶対に開かない体の使い方。その動きを作るためにはどうしたらいいのかを考えた時に、体幹を鍛えて、しっかりとした体を作らないといけないと。この他にも、いろんな投手の”ここ”という部分を見て、参考にしてきました。完璧にモノにするのは無理かもしれないですけど、少しでも近づけるために何をしたらいいのかはずっと考えてやってきました」

 3年春のセンバツでは花巻東の大谷翔平、愛工大名電の濱田達郎とともに「ビッグ3」と呼ばれ、初戦でその大谷と対戦して勝利。そしてチームも全国制覇を達成した。しかし、夏の県大会で大谷が160キロをマークすると、世間の注目は大谷に集中した。春夏連覇を達成した投手として悔しさはなかったのか。

「大谷くんが160キロを出したから自分も……という気持ちには全然ならなかったです。今回、全日本で一緒になってあらためて大谷くんのポテンシャルの高さは感じましたが、だからどうというのはなかった。甲子園でも桐光学園の松井(裕樹)くんが三振記録を作って、いろいろと聞かれましたが、僕はまったく意識していなかった。自分がいちばんこだわってきたのは、勝てる投手という部分だったので、そこは春夏連覇という結果で証明できたと思いますし、これからもいちばんこだわっていきたいところです」