【大学野球】大学選手権開幕。東浜巨&吉永健太朗の甲子園V腕を筆頭に好投手ズラリ! (2ページ目)

  • 佐伯要●文 text by Saeki Kaname
  • 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

 その東浜と並び、注目を集めるのが早稲田大の1年生・吉永健太朗。昨夏、日大三のエースとして甲子園を制した右腕だ。今春のリーグ戦序盤はフォームが固まらず、直球のスピードもキレもなく、シンカーに頼らざるをえなかった。しかし、中盤以降はフォームも固まりだし、本来の直球を取り戻しつつある。吉永はリーグ戦で7試合に登板して4勝を挙げ、リーグトップの防御率1.25をマーク。1年生が春のリーグ戦で4勝したのは、東京六大学史上5人目。また、1年春に最優秀防御率を記録したのは、個人記録が残っている1953年以降、初の快挙だった。この活躍で吉永は、斎藤佑樹(現・日本ハム)以来2人目となる1年生投手での春のベストナインを受賞した。

 亜大、早大ともに勝ち上がれば、決勝戦で2008年春のセンバツで優勝した東浜と、昨夏甲子園優勝の吉永という「甲子園V腕対決」が実現するかもしれない。

 またこのふたりを中心に、今年は好投手が目立つ大会となった。

 昨年の大学選手権ベスト4の九州共立大は、川満寛弥(4年)と大瀬良大地(3年)のWエースで初優勝を目指す。186センチの大型左腕・川満は、最速142キロの球速表示以上に打者の手元で伸びる直球と落差の大きなカーブが武器。今秋のドラフトで上位候補にリストアップされる投手だ。大瀬良も186センチと長身で、最速151キロの直球とカットボールを軸に打者に向かっていく本格派右腕。早くも2013年ドラフトの1位候補として名前が挙がっている。

 大阪体育大にも松葉貴大と宮川将(ともに4年)のWエースがいる。松葉は左腕から最速149キロの直球とキレのあるスライダーを繰り出す。東洋大姫路高時代に左ヒジを痛めて外野手に転向したが、大体大入学後に投手に再転向し、才能を開花させた。宮川は最速147キロの直球と縦・横2種類のスライダーを操る本格派右腕。ドラフト候補として切磋琢磨してきたふたりの目標は、2006年以来の全国制覇だ。

 そして、忘れてはいけないのが創価大のエース右腕・小川泰弘(4年)だ。メジャーの往年の大投手ノーラン・ライアンを意識したという左ヒザを高々と上げるフォームが特徴で、そこから最速147キロの直球、スライダー、フォーク、チェンジアップと多彩な球種を投げ込む。今春は4月28日の東京学芸大戦でノーヒット・ノーランを達成。7勝を挙げて、通算勝利数を30勝まで伸ばした。目標とする大学日本一とプロ入りへ向け、剛腕ぶりを発揮するつもりだ。

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