【箱根駅伝】駒大の勝機は「往路で青学大に先行するしかない」 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi フォート・キシモト●写真 photo by PHOTO KISHIMOTO

 大八木監督のこれまでのセオリーでいけば、1区には出雲と全日本で同区間を経験している中谷を起用する可能性が高い。中谷は出雲では青学大の小椋裕介に競り勝って区間1位になった。だが全日本では東洋大の服部勇馬や青学大の一色恭志、早稲田大学の中村信一郎に8秒突き放されて4位だった。今回、そのうち服部勇馬と一色は2区に回る可能性が高い。

 中谷も前回は3区で区間賞を獲得しており、全日本後の11月14日には、1万mの記録を28分17秒56まで伸ばしている。その自信を活かせば、ユニバーシアード1万m銅メダル獲得という勝負強さもあるだけに、青学大の久保田和真ともしっかり勝負できるだろう。

 大塚で2区をつなぎ、3区は1万mの自己記録を28分23秒85まで伸ばし、全日本でも2区で区間2位になっている工藤で勝負。次の4区に好調な其田を置いて勝負をしかければ、大八木監督のもくろみ通り、青学大に40~50秒差をつけて5区へ、という可能性が見えてくる。そこで馬場がきっちり走れば、往路で青学大に先着できるというわけだ。

 駒大の課題は6区だ。2年続けて59分22秒、59分21秒で快走した西沢佳洋が卒業、今回は経験者がいない。大八木監督は6区について、「特殊区間だから、準備はしています。下りは有力校はどこも59分台で確実に走ってくる。59分30秒くらいで区間5~6番でしょう。最低でも59分30秒で走らないときついと思う」と言う。その条件をクリアできれば、7区には前回同区間で区間2位、11月の上尾ハーフでも2位と調子を上げてきている西山雄介(3年)を置ける。

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