W杯で酒井高徳が触発された「内田篤人のプレイ」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

 だが酒井高は、ブラジルW杯でそれだけでは足りない、ということを痛感した。W杯の舞台に立って、さらに活躍するには、まだ重要なことがあるとわかったという。それを示してくれたのは、代表のチームメイトである内田篤人だった。

「ブラジルW杯では、みんながんばっていたけど、力を出し切れなかった選手もいた。でも、篤人さんだけは(他の選手と)ちょっとプレイの質が違っていて、心強いな、と思った。それは所属クラブ(シャルケ/ドイツ)で、欧州チャンピオンズリーグや欧州リーグなど、世界的にも大きな大会に出場してきた経験があるからだと思うんです。それが今、自分にとって、いちばん必要なことかな、と思いました。今後は、国際舞台でプレイする経験をより積んでいかないといけない。もちろんそれは、自分の力だけではできないことですが、クラブ(シュツットガルト/ドイツ)に戻って、チームがそういう舞台で戦えるようにがんばるしかないですね。そうして4年後は、自分が(W杯で)活躍できるようにならいないと。ブラジルで(出場時間)ゼロに終わった経験を無駄にはしたくないですから」

 欧州チャンピオンズリーグや欧州リーグでプレイするには、クラブで上位進出に貢献するか、そうした舞台で戦えるトップクラブに移籍するしかない。しかし、いずれにしても、まずは自分のレベルを上げ、価値を高めていくしかない。2018年ロシアW杯までの4年間、その目標を果たして、世界トップレベルで継続的に戦うことができれば、ブラジルで目に焼きついた内田のプレイを、今度は酒井高自らがW杯の舞台で体現できるはずだ。

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