ジュビロの黄金期を再び。山田大記を感動させた中村俊輔のアドバイス

  • 望月文夫●取材・文 text&photo by Mochizuki Fumio

 昨季、リーグ6位と躍進を遂げたジュビロ磐田。今季はそれ以上はもちろん、頂点も見据えた上位争いも期待されるが、その"キーマン"と目されているのが、MF山田大記だ。

 実際、鹿児島キャンプでは負傷明けながら、アグレッシブな姿勢を見せて、名波浩監督からは「キャンプのMVP」と高い評価を受けた。その後も好調を維持し、昨季の王者・川崎フロンターレとの開幕戦でも先発出場が予想されるなど、"生え抜き"への期待は日に日に高まっている。

ジュビロ磐田のさらなる躍進には山田大記(緑ビブズ)の活躍が不可欠だジュビロ磐田のさらなる躍進には山田大記(緑ビブズ)の活躍が不可欠だ ジュニアユース(U-15)までジュビロで育った山田は、静岡の名門・藤枝東高から明治大を経て、2011年に鳴り物入りで磐田に加入した。1年目から背番号「10」を託され、リーグ開幕2戦目からレギュラーの座を確保。翌2年目には、クラブ史上最も若い23歳で主将を任された。

 しかしその後、クラブが初めてJ2の舞台で戦っていた2014年の夏、ドイツ・ブンデスリーガ2部(当時)のカールスルーエに完全移籍して日本を離れる。移籍先でも中心選手としてプレーしていたものの、同クラブの3部降格が決まった昨季終了後(5月)に退団。8月に古巣の磐田に再加入した。

 ドイツで磨かれて戻ってきた山田への期待は当然膨らんでいたが、J1復帰を果たしたチームにはMF中村俊輔らが加わり、かつての中心選手でも簡単に定位置をつかめる状況にはなかった。チームが好調なこともあって、余計に出番は限られた。

 そんな中、山田はシーズン途中に右足ふくらはぎの肉離れを発症。戦線離脱を余儀なくされ、復帰1年目は何の成果も挙げられずに幕が閉じてしまった。

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