【新車のツボ100】ロールス・ロイス・レイス試乗レポート

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 おかげさまで、この『新車のツボ』も100回目記念。ここは景気よく!......というわけで、今回は歴代最高価格車を取り上げることにした。英国王室御用達にして、みずからのキャッチフレーズで"ベストカー・イン・ザ・ワールド"といい切っちゃうロールス・ロイス(以下、ロールス)だ。

 世の高級車といえばメルセデスやBMWなどのドイツ系が有名だが、これらもしょせんは基本的に2000万円級どまり。ロールスはさらにその上。まさに雲上界の、"やんごとない"方々のためのクルマである。まあ、現在のロールスは経営的にはBMW傘下だったりはするが、クルマは別物である。

 現在のロールスは大きく分けて、2つの系統がある。大きいほうが"ファントム"で、価格はベース価格で約5000~5800万円。今回の"レイス"は小さいほうで、そのベース価格はファントムよりお安め(!!)で3333万円。レイスとほぼ同等サイズの4ドアモデルは"ゴースト"で、ベース価格はやはり3000万円台(約3200~3700万円)となる。

 ここでベース価格という、普段あまり使わない表現をしたのは意図的である。だいたい、やんごとない世界では、おクルマをツルシ状態でお求めになる方々はほとんどいないからだ。そもそも選べるカラーや室内素材、オプションは下々の大衆ブランドではありえないくらい膨大だし、カタログにないカラーや室内調度を追加したり、場合によっては家紋を入れたり......といった特注例も多い。

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