目指すは金メダル。対照的なふたりの天才、長島圭一郎と加藤条治

 ソチ五輪のスピードスケート男子500mで金メダル獲得を期待されているのが、31歳の長島圭一郎選手と29歳の加藤条治選手です。前回2010年のバンクーバー五輪500mでは、長島選手は銀メダル、加藤選手は銅メダルを獲得しました。

 同じ日本電産サンキョーの所属のふたりのキャラクターは対照的です。ストイックな加藤選手は、真面目な優等生タイプ。それに対して長島選手は、努力はしているけどそれを周囲には見せないで、クラスの中で明るいムードメーカーとして振る舞っているタイプだと思います。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita シーズンイン直前の昨年9月に取材に行ったときは、練習中の長島選手は周りの選手と一緒に楽しそうにおしゃべりをしていましたが、一方、加藤選手はひとりで静かに集中している。練習メニューもそれぞれ異なるものでした。

「レースの前になると緊張してしまって実力を出せなくなる」。そのことを自覚している加藤選手は、バンクーバー五輪の時、「レース直前は食事が喉を通らなくなったほど」の緊張を経験。その後、緊張せずに試合に臨める方法を模索し続けていました。

 しかし、2012年12月の長野でのW杯日本大会では「地元の試合だからと気合いを入れて臨んだら、緊張もあって惨敗してしまって......。すごく落ち込みました」と、なかなか解決方法を見出せないでいました。

 ところが、長野の次のW杯中国大会(2012年12月)では「もうビリでもいいや」と少し投げやりな気持ちで臨んだ結果、あっさり優勝してしまったのです。そのとき、あらためて「自分は緊張し過ぎるとダメだということを実感した」と加藤選手は苦笑いしていました。

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