陸上界の「エビちゃん」海老原有希選手が考える「日本人の武器」とは?

 8月10日から世界陸上モスクワ2013が開幕します。出場する日本人女子選手のなかで注目している選手のひとりが、やり投げの海老原有希選手(スズキ浜松AC/27歳)です。

「エビちゃん」と親しみを持って周囲から呼ばれている彼女にインタビューをしたのは、6月下旬。世界陸上開幕の1か月ほど前だったので、かなりピリピリしているかなと想像していたのですが、練習場にうかがうと、気さくな笑顔で迎えてくれました。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita 小学生の頃はリトルリーグで男の子に交じって野球をして、キャッチャー以外のポジションはすべてこなしたという海老原選手。彼女がやり投げを始めたのは高校のときで、初めて投げた時にいきなり30mを記録したといいます。また、高校時代はやり投げ以外にもいろいろな種目で大会に出場し、3年時はインターハイの7種競技で優勝。やり投げは2年の時に2位で3年時に3位でした。それが悔しくて「やり投げで強くなりたい」と思い、高校卒業後はやり投げに集中することに決めたと言います。

 インタビューの前には同じグラウンドで練習している母校(国士館大)の先輩や後輩を、「この人はこういう成績を残している選手です」と説明つきで紹介してくれ、取材現場の雰囲気を明るくしてくれました。そんな女性らしい心配りができて、本当に笑顔が可愛くてフレンドリーな人柄。「エビちゃん」と思わず愛称で呼びたくなる選手でした。

 以前、高橋尚子さんが「エビちゃんは女子力が高い」と話していたことを伝えたところ、ご本人は「最近は練習でも日焼け止めを塗るようになりましたけど......どうなんでしょうか(笑)」と照れていました。

 また、大学の先輩によると、海老原選手は寮でみんなにご飯をつくってふるまったりする料理上手。メインの料理のほかにサラダなど2、3品を手早く作るそうです。

「最近好評だったのは『チキンのトマトソース煮』で、鶏肉は手羽の他に、自分用に(脂が少なくタンパク質の豊富な)ささ身でも作りました」という海老原選手。「ささ身より手羽の方が美味しかったですけど」と笑っていましたが、アスリートとして食事のこともしっかり考えているのです。

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