バーディー不在の非常事態。
岡崎慎司が「自分の価値」を証明する

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 4月17日に行なわれたウェストハム・ユナイテッド戦(第34節)は、今季のレスター・シティの戦いぶりを象徴するような激戦だった。

バーディー出場停止の次節、岡崎慎司へのゴールの期待は高まるバーディー出場停止の次節、岡崎慎司へのゴールの期待は高まる FWジェイミー・バーディーのゴールで先制したものの、そのエースが56分に2枚目の警告で退場処分に。数的不利に陥ったレスターは同点弾を浴び、残り時間4分のところで逆転ゴールを許した。アディショナルタイムは4分......。

「万事休す」と思われたが、93分50秒にドラマが起きた。MFジェフリー・シュラップがPKを獲得。これをFWレオナルド・ウジョアが成功させ、土壇場で同点に追いついた(2-2)。ウジョアがネットを揺らすと、満員に膨れ上がったスタジアムが歓喜で揺れた。

 それにしても、レスターは"持っている"。

 前半2分にウェストハムのDFシェイフ・クヤテが放ったヘディングシュートは、GKカスパー・シュマイケルの指先に触れ、左右のポストに当たってからキャッチ。バーディーの退場処分で敗戦濃厚になっても、最後の最後で引き分けに持ち込んだ。判定基準が極めてあいまいだったジョナサン・モス主審が試合を壊した印象はどうしても拭えないが(PKかノーファウルかの判定に首を傾げる場面が少なくとも4度あった)、最後まで勝負をあきらめずに貴重な勝ち点1を掴んだ。「これぞ、レスター」という、勇ましい戦いぶりであった。

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