本田圭佑らチームメイトに、ミランの古参GKが落とした「爆弾」

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari   利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2015~2016(26)

 9試合かけて作りあげたミランのアイデンティティは、たった2試合で崩れ去った。

キエーヴォ戦にフル出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS)キエーヴォ戦にフル出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) 全てはこの8日間に起こった。ミランはこの2試合でたったの勝ち点1しか手に入れることができなかった。3位の目標はもはや遠い夢、9試合で11ポイントを取り返すのは至難の業だ。また、ヨーロッパリーグ出場権が自動的に手に入る5位にも6ポイントの差がある。

 それにしてもいったい何が原因でこうなってしまったのだろう。これは頭の中の問題、つまり試合に対する精神的アプローチが明らかに間違っているからだ。

 3月13日、キエーヴォのホーム、ヴェローナで、ミランは立ち上がりから30分間、ほぼ一方的に押されていた。その後、終盤に向けて少しずつ持ち直していき、最後にはアバーテとベルトラッチの惜しいシュートもあった。もしそれが入っていたならミランは勝利していたかもしれないが、たとえそうだったとしても納得のいく勝利ではなかったろう(結果は0-0)。

 ミランの抱える問題を誰よりも的確に指摘したのが、ミランの古参の一人クリスティアン・アッビアーティだ。この試合の前半19分に若き守護神ジャンルイジ・ドンナルンマが怪我で退場、久々にアッビアーティがミランゴールを守ったが、試合後、彼は心の内を吐露した。

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